【初心者必見!】企業Web担当者の役割や仕事内容とは?よくあるお悩みに対する解決のヒントまでをご紹介

社内のWebサイト運営を任されるWeb担当者。
会社からの辞令で突然、Web担当者に任命されるというケースも少なくありません。

この記事をご覧いただいているあなたも、その一人かもしれません。

一体、具体的にはいつ何をどんなふうにやればいいのかわからず、不安になっていませんか?

ここでは、企業のWeb担当者の役割や仕事内容、よくご相談いただくお悩みを取り上げています。

  1. 企業のWeb担当者って、そもそもどんな存在?
  2. Web担当者が仕事にとりかかる前に確実に押さえておきたいこと
  3. Web担当者の具体的な業務とは?
  4. Web担当者のお悩みトップ3
  5. 気になることをWebサイトの専門家に聞いてみよう

企業のWeb担当者とは、どんな存在?

Web担当者に着任したらまず何をしたらいいでしょうか?
具体的な業務内容に入る前に考えてみましょう。

Web担当者が社内から求められている役割とは?

Web担当者は、「Webサイトを手段として、顧客と自社をつなぎ、企業の事業成果につながる施策を実行すること」に携わります。例として、以下のような役割が考えられます。

各部門の要望を実現するために…

各部署に聞き取りをおこなったり連携をとったりしながら、顧客に向けWebサイトを通じて伝えていきたいことを整理して発信する

営業活動のために…

営業部門と連携を取り、新規顧客開拓や既存顧客フォローのための支援をする

広報活動のために…

Webサイトを広報の役割として考え、自社ブランドのイメージを高めるための活動や人材確保のためのリクルート支援をおこなう

上記はほんの一例です。他にも企業の規模や業界によって、Web担当者がかかわる内容はさまざまです。

Web担当者が仕事にとりかかる前に確実に押さえておきたいこと

Webサイト運営における状況は企業や部署によって異なります。しかし共通していえることは、Webサイトで何をどうしたいのかという目的を明確にしておく必要があるということ。そしてそれに対して現状はどのような状態なのかを把握することです。

Webサイトの目的と達成目標

このWebサイトで何をどうしたいのか、なぜこのWebサイトがこの形で運営されているのか、Webサイトで何がどのような状態になることが目標達成と言えるのかということを理解しておきましょう。

Webサイトの現状把握

Webサイト運営にかかわる関係者やフローの整理、使用しているシステムの洗い出しと確認などをおこない、どのような形で現在のWebサイトが運営されているのかを把握しましょう。何か課題がある場合、解決するには誰の協力が必要かも整理しておくと、その後の運営がスムーズになるでしょう。

現状把握の結果と達成目標の間に生じたギャップを埋めるために、次章でご紹介する具体的な業務をおこないます。

Web担当者の具体的な業務とは?

Webサイト運営をするなかでおこなう具体的な業務をみていきましょう。一人のWeb担当者がすべてをおこなう場合もありますが、複数人で役割分担をしたり、外部や他部署に依頼したりする作業もあります。

プロジェクトマネジメント

Webサイト運営をおこなうチーム構築をはじめ、業者管理、課題管理、部門間調整や合意形成のとりまとめなど、プロジェクトにかかわることの調整をおこないます。

さまざまなステークホルダーが社内外に存在するなかで、組織の意図をくみ取って合意形成をし、プロジェクト関係者が同じベクトルに向けるためのマネジメント力が重要です。

そのために大事なことは、社内Web担当者が適切なスキルを身につけ、外注業者管理も含めて主体的にマネジメントをしていくことです。

この後ご紹介する各業務を円滑に進めるためにも主担当者としてプロジェクト全体を管理します。

ウェブ戦略策定

Webサイト運営で目指す成果と目標達成までの道筋を立てます。
例えば中期経営計画とのすり合わせをおこない、社内メンバーへのヒアリングやワークショップを通してWebで何を実行するのかを探ります。

Web戦略策定で決めたことに従って、それを実現するための方法を企画立案で練ることにつなげていきます。

企画立案

定めたWeb戦略にしたがって、具体的にどのようなことをWebサイトでおこなうのかというアイデアを練ることになります。

どのようなコンテンツが必要か、どのようなデザインの方向性がいいのか、どのような機能やシステムが必要か、ターゲット顧客に来訪してもらうための集客手段などが具体的な内容になってくるでしょう。

サイトのKPIやサイト訪問者のペルソナなどを設定しながら具体的な方向性を決めていきます。

設計

使い勝手に配慮し、見込み顧客を目的達成へ導けるよう、ページ構成(どのような名前のページをどこに作るかの設計)や画面設計(どのようなレイアウトのページにするかの設計)をします。

JIS規格に配慮し、将来にわたって使いやすいサイトに設計することがもとめられます。

デザイン方針決め、依頼

どのようなWebサイトにしたいのかによって見せ方やコンテンツの配置、使用する色や形などがかわってきます。

ペルソナを大事にしてWebサイト全体のデザイン方針を決めましょう。

他部門や外部に依頼することも多い作業になると思います。意思疎通をきちんとはかり、お互いの解釈に齟齬がないようにしましょう。

情報システム部や外部業者に委託することもありますが、Webサイト運営を担当する立場として、自社のWebサイトで何がしたいか、それを実現するために適したシステムは何かの選別をおこないましょう。

システム選定、導入

あれもこれもと機能ばかり備わっていても、果たして必要なものでしょうか。

自社のWebサイト運営に必要なものが何か整理しましょう。

コンテンツ制作

Webサイトのデザインをしたり、原稿を執筆したり、掲載する画像を用意したりという、一連の制作作業です。

ユーザーのネット利用経験(学習経験)を踏まえて、使い勝手がよく、伝えたいことが伝わるデザインやサイトへアクセスしてきた背景(文脈)を考慮したコンテンツ提供をしましょう。

集客・広告手段選定と実行

検索エンジン対策やメルマガ、Web広告などによるプロモーションをしたり、セミナーや展示会などのオンラインイベントを実施したりすることで、顧客が集まるWebサイトにします。

集客や広報活動にはさまざまなものがあるので、自社の戦略にあったものをタイミングよく活用できると良いでしょう。

注意すべきは、問い合わせ後の商談力強化やサイトの接客力(魅力あるコンテンツ発信や導線の改善)に先に取り組んだうえで、集客対策に手をつけるという点です。

分析

定期的なWeb解析と改善会議で、持続的なサイト強化をおこないます。

サイトリニューアルをするにしても、継続運用をするにしても、思いつきや慣習で作ってしまっては成果は上がりません。

Web解析データや問い合わせ実績などを基に分析をおこない、改善すべき点とその理由を客観的に把握したり、競合他社がどこで、どのようなマーケティング活動をおこなっており、そこに自社が勝つために差別化すべきポイントを明確にしたりしましょう。

SNS運用

WebサイトとSNSを連動させたキャンペーンやイベント、新商品やサービスの周知活動も企業によっては必要です。
SNS運用の担当者と連携をとりながら進めることが良多いでしょう。

システムやインフラ保守

使いやすいシステムの維持管理やセキュリティ対応、いくつかのシステムを平行して使用しているのであれば統合管理などをおこないます。
Web担当者が直接おこなうことも、情報システム部などと連携しておこなうこともあります。

サイト種別により、他にも考えられる業務

顧客対応

Webサイトを訪問した方々が望んでいることはどんなことなのでしょう。
提供しているサービスや商品の概要を知ることができればいいのか、具体的な話をしたいのか…。

インサイドセールス部門がMAツールなどを活用しながらWebサイトを訪問した顧客の望む段階にあわせたアプローチ支援ができるようなWebサイト運営をします。
例えば、顧客の動きが把握しやすいような導線設計をするなどが考えられます。

営業支援

現在、見込み顧客の意思決定の7割は、営業に出会う前の「Webサイト」で済せてしまっているといわれています。
デジタル時代の顧客の情報収集プロセスに適したコンテンツを商談時に提供する営業アプローチブックなどで、営業活動の後方支援をおこないます。

Web担当者のお悩みトップ3

ウェブマネジメント・アカデミーの運営をしている株式会社あやとりは、Web担当者に必要な業務や手順の一挙習得を目指すWebマネジメント講座を開発、提供しております。

また、専属スタッフがWeb担当者に寄り添いながら一緒に課題解決に取り組んでおります。
そのようななかで、Web担当者の方々から、業務でわからないこと、不安に思うことのご相談をいただきます。

ここでは、よくある悩みに対する解決策をご紹介します。

Webサイト運営のための時間がなかなかとれず、専門知識やスキルがないことが不安

Web担当部門が設立されている企業は少なく、他の業務と兼業しながらWebサイト運営をしている方も多いのが実情です。

Webサイト運営を任されている部門も、広報部、経営企画部、営業企画部など企業によってさまざまであり、Webサイトの位置づけも企業ごと異なる現状があります。また、Webサイトで展開しているコンテンツの運営が複数部署でバラバラにおこなわれていることもよくあります。

デザイン知識、コーディング知識、プログラミング知識、ライティングスキルなどの専門性すべてを完璧に押さえる必要はありませんが、知識やスキルがあるとWebサイト運営がスムーズになり、理解促進につながることは確かです。
運営しながら身に着ければいいもの、外部業者や各部署の協力を仰いでカバーできることなど、業務にあわせて見極めていきましょう。

https://web-management-academy.net/w/www/skill-map-sheet

社内の人や部署間のかかわりに悩んでいる

シチュエーション、業務内容など、状況によって誰の協力をどのタイミングでどのように仰ぐかを調整する必要があります。
現在、どのような人がどのようなフローでWebサイト運営にかかわっているのかということを今一度整理してみましょう

運営にかかわる人が多ければ多いほど、Webサイト運営を円滑におこなうためのガイドラインの設定が大切です。
誰がどのタイミングで運営に携わってもWebサイトの品質に差がない状態を保てるようにしましょう。

外部委託業者に、うまく要求事項が伝わらず悩んでいる

企業によっては、Webサイト運営の一部を外部に発注していることもあるでしょう。
しかしうまく要求が伝わっておらず、できあがったものを前にして「こんなはずではなかったのに」と頭を抱える事態も起きています。

業者は、自社の経営理念や中期経営計画など、Webサイト運営の目的や、Webサイトで何をどうしたいのかという目標となる部分をきちんと理解してくれているでしょうか?

Web担当者として、発注の仕方があいまいではありませんか?

やり取りは口頭ではなくメールや文書で残すようにし、的確な表現で伝えるようにしましょう。

気になることをWebサイトの専門家に聞いてみよう

鈴木 英美
Web担当者になって数ヶ月、まだわからないことだらけなのですが、まずは定期的にコンテンツを更新する作業をおこなっています。このような日々の運営以外では、Webサイト運営にはどのようなシチュエーションがありますか?
担当するWebサイトが置かれている状況を確認すると、下記のようなシチュエーションが考えられます。 ・日々の運営…既存サイトを定期メンテナンス、コンテンツ更新。イベントやキャンペーンにあわせて一部の差し替えや改修をメインにおこなう。 ・リニューアル…大規模にサイト内の構成やデザインなどを見直す。 ・新サイト立ち上げ…社会のニーズにこたえるため、自社プロモーションのためなどの理由で新規にWebサイトを立ち上げる。
谷川 雄亮
鈴木 英美
なるほど。そしてどのシチュエーションにおいても、第3章で紹介している業務が必要なのですね。
そうですね。 ただ、例えば日々の運営時とリニューアル時では、業務にかかわる人や部署、作業のボリューム、方法などが異なってきます。 どの規模でおこなうか、サイトのおかれている状況から判断しましょう。
谷川 雄亮
鈴木 英美
そういえば、業務内容で紹介していた「Web戦略策定」「と「企画立案」の違いがいまいちはっきりしないのですが…。
わかりやすく例を出してみましょう。 例えば、『この「ウェブマネジメント・アカデミー」というサイトを多くの人に知ってもらいたいと考えた時、どのようにそれを実行するか』の部分が「Web戦略策定」です。 広告を出して周知をはかるか、サイトのコンテンツを充実させ、既存のものをメンテナンスしていくのかなど、考えられる方法(戦略)のなかからどの策で進めるか決める(策定)のです。
谷川 雄亮
鈴木 英美
では、企画立案はどうでしょう?
企画立案では、Web戦略できめたことにしたがって、それを実現するための方法を練っていきます。 先ほどの続きで考えていきましょう。「Web戦略策定」で広告を出すことでウェブマネジメント・アカデミーの周知をはかるという結論になったとします。 では、どのような広告をどのようなタイミングでどれくらいだせばいいのか。手具体的な方法を「企画立案」で練るのです。
谷川 雄亮
鈴木 英美
すべての業務が次につながっていくのですね。 業務がたくさんあってパンクしそうです…。
とてもたくさんの業務があって複雑に感じられますが、ひとつひとつは分断されているものではなく、それぞれにつながりを持っているものです。 業務を把握することで、次の仕事にとりかかりやすくなるような段取りが取れたり、社内外の関係者との仕事を調整しやすくなったります。 また、優先順位をつけて、任されているWebサイト運営の現状にはどの作業が必要かを見極めていきましょう。
谷川 雄亮

Webサイトは手段であり、目的ではありません。
またWebだけでできることばかりではありません。

Webサイト運営の業務のひとつをおこなうことが目的にならないよう、またすべてをWebで解決するために無理をしないよう、「企業成果につなげるためにどうしたいのか。」を根本においてWeb担当者としての仕事に取り組んでみてください。