Looker Studioを利用した月次レポート作成のポイント~社内で使えるWebサイト運営の月次レポート は設計で決まる!~

 2023.11.02 2024.08.07
株式会社あやとり
企画制作部
片岡 泰仁
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Webサイト運営において、正しくPDCAを回すためにウェブ担当者の必需品ともいえるのが月次レポートです。 以前はExcelやPower Pointを駆使し、Googleアナリティクスのエクスポートデータを加工して作成することが一般的でした。しかし現在はLooker Studioのような無料レポーティングツールも整備され、レポート作成を社内で簡単におこなうことができるようになりました。
ここではアクセス解析の専門家が、Looker Studioを利用したレポートの設計/設定のポイントをご紹介します。

目次

    Looker Studioとは?

    接続されたデータを、表やグラフに自動変換してくれる無料ツールです。
    詳しくはLooker Studioサポートページをご覧ください。

    月次レポートとは?

    月次レポートの必要性

    月次レポートとは、Webサイトへのアクセス状況をまとめたもので、最も代表的な内容としてGoogleアナリティクスやGoogleサーチコンソールの集計データがあげられます。

    月次レポートを作成する最大の目的は、Webサイトの施策や改善策を考えることです。そのためにアクセス数の変化や流入元、検索ニーズなどの定点観測をおこないます。

    片岡 泰仁
    最もシンプルなレポート構成は、Google アナリティクス、Googleサーチコンソールのデータをもとにした構成です。ただし企業によっては、Web以外のさまざまなデータ(施策内容、SNSのデータ、顧客データ、売り上げデータなど)を組み合わせてレポートに集約させている場合もあります。
    そうすることで、Web以外の複合的な観点からWeb サイトのPDCAを考えられるからです。
    データが変化した要因を幅広い観点で考えたり、改善策のアイデア源をWeb以外から検討したりしたい場合は、広い視点でレポートに集約させるデータを検討するとよいでしょう。

    月次レポート設計/設定4つのポイント

    私たち専門家がお客様の月次レポート設計/設定をおこなう際に、どのようなところに気を付けているか、4つほどご紹介します。

    1:計測する指標の選定ポイント

    企業のWeb担当者からは「どのようなデータを月次レポートの指標にしたらよいかわからない」という悩みを多くいただきます。

    必要となる基本的な指標は「サイト全体」の月間アクセス数と質をチェックできる指標です。

    • アクセス数
      • アクティブユーザー数
      • セッション数
      • PV数(Looker Studioでは視聴回数)
    • アクセスの質
      • エンゲージメント率
      • セッションごとのPV数

    などが一例です。

    また、集客強化を検討するうえでは

    • チャネル

    の情報も必要になります。

    さらに、利用ユーザーを知ることも必要になりますので

    • デバイス
    • 地域
    • 性別
    • 年齢

    などのデータを含めるとよいでしょう。

    片岡 泰仁
    GA4ではユーザー属性の数値を正確に計測できない場合が多々あります。
    その場合「割合」で数字を出すと、利用ユーザーのおおよその傾向を捉えるできることができます。

    2:グラフ化するときのポイント

    グラフを作成するときに色やグラフの種類といった「デザイン性」に意識が向きますが、わかりやすいデータの見せ方のコツはデザイン性以外の部分にもあります。

    デザイン性以外のポイントとしては

    • 前月との比較ができること
    • 前年同月との比較ができること

    があります。前年や前月と比較してどのくらい変化があったかわかるようになっていると、全員がWebサイトの成長を意識することができます。

    また深堀したいコンテンツがある場合は

    • ディレクトリ別の指標
    • ページ単体の指標

    のように、フィルタをかけてコンテンツ別に個別で確認できるようにしておくことをおすすめしています。

    3:レポート更新作業を効率化させるポイント

    Looker Studioの日付設定にもコツがあり、工夫ひとつでレポートの作成工数を軽減させることができます。

    例えば、毎月「先月」のデータだけ確認をしたい場合は日付の選択範囲を「先月」にしておくだけで自動更新されるので、毎月日付を変更する作業が削減されます。

    レポート作成は定期的に発生する業務になりますので、日々の業務を効率化できるポイントを探しながら設定をしましょう。

    4:GA4「探索」との使い分けの考慮

    あらかじめLooker Studioで作成した月次レポートと、GA4探索機能を使い分けて運用することを想定しておきましょう。

    Looker Studioは月次レポートのような数字の「定点観測」と相性が良いツールですが、数値を深く調査したいときにやや使いにくい場合があります。その場合、深堀する手段になるのがGA4の「探索」機能なのです。

    PDCAが回ってくると、さまざまなデータを確認したくなります。そのときに

    「Looker Studioで見るべきか?」

    「GA4で見るべきか?」

    といった判断に迷うケースがあります。

    設計段階で、Looker Studioで確認できない数字はGA4の探索で確認することを想定しておくと、データ確認の効率を上げることができます。

    サイトリニューアル時は月次レポート設計をおこなう絶好のタイミング!ただし注意も必要

    我々はWebサイトをリニューアルするタイミングで、月次レポートもあわせて刷新していくことをおすすめしています。

    ただしレポート設計や設定は、公開直前の作業となることが多く、リニューアル公開前のページ登録や確認フェーズと重なってしまうケースがよくあります。

    このように、さまざまな業務が重なったときに優先すべきことは「ユーザーの目に触れるページに関する業務」になり、どうしてもレポートの設計や設定作業が後回しになってしまう可能性があります。

    リニューアルは一時的なプロジェクトですが、公開後の「アクセス解析」はサイトを持ち続ける限り続きます。そして良いWeb運営のためには欠かせない業務です。

    運営フェーズに入ったときスムーズに「アクセス解析」ができるよう、前準備として専門家に依頼しておくのもサイトリニューアル成功の秘訣かもしれません。

    おわりに

    「わかりやすいレポート作成」の効果は意外にも高く、社内でWebへの関心を持ってもらえるチャンスに繋がります。ぜひ諦めず、レポート作成自体にもPDCAを回してみてください。

    なお、Looker Studioに関しては、作成したレポートデータをPDFでダウンロードしようとしたときにできなくなる現象に対する調査と対処法をご紹介したコラムも掲載しております。あわせてご覧ください。

    https://web-management-academy.net/w/www/article/download-as-pdf-button-not-working-of-looker-studio
    株式会社あやとり
    企画制作部
    片岡 泰仁

    この記事の監修者

    ウェブサイトの制作手法として、SEO、ユーザビリティ、アクセシビリティ、W3Cのウェブ標準、JIS X8341をいち早く取り入れ、デザイン、マークアップ、CSS、JavaScript、PHPなど、特にフロントエンドにかかわるスキルを幅広く習得。CCO/クリエイティブディレクターとして制作全般を担当し、大手広告代理店やウェブ制作会社の教育指導も手掛けます。

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