要件定義と要求定義の違いをご存じですか?サイトリニューアルに着手する前に重要な3ステップをわかりやすく解説します

 2022.01.11 2022.08.26
實石 優
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「こんなウェブサイトにしたい」という事業主としての要求事項のなかから、外部に依頼することをまとめたRFP(提案依頼書)を作成して業者を選び、要求に対しての技術的な実現方法を要件定義書として業者が取りまとめる。この3つのステップがウェブサイトリニューアルの成否を決めるうえでとても重要な重要なやりとりです。今回はこの3ステップの内容や役割についてわかりやすく解説します。

目次

    1.「要件定義」はリニューアル設計を始める前に欠かせない重要工程

    みなさんの会社では、ウェブサイトのリニューアル開発を外部業者に依頼するとき、どのような手順や方法で作業を進めていますか?

    「自分たちがウェブサイトで実現したいことをどのように業者につたえたらいいのだろうか」「どのくらいの業者に声をかけ、どのようにパートナーを選んでいけばいいのだろうか」など不安を抱えたりつまづいたりする方は多くいらっしゃいます。

    實石 優
    社内の意見を取りまとめるにも一苦労ですし、それをもれなく外部業者となるパートナーにも伝えて形にしなくてはならない…。 どのように進めればいいのでしょうか。
    ウェブサイト制作で最も苦戦するのは「要件定義」の工程だと言われます。技術と組織の両面からのアプローチが必要なので特に難しいと思いますが、ここまでの作業をおこたると、その後の設計や制作作業工程で「こんなはずではなかったのに…」という事態に陥ることがあります。 外部パートナーとよりよい関係を築き、質のたかい要件定義書を作り上げるためには、その前段階の社内での要求事項の棚卸しやRFP作成の完成度の高さが求められます。
    谷川 雄亮
    實石 優
    「要求事項の棚卸し」「RFP」「要件定義」… まずは用語理解と全体の流れを把握してみます。

    2.要求定義書とは?要件定義書とは?RFPとは?まずは3つの成果物の違いを知ろう

    ウェブサイトリニューアルの設計や開発に着手する前段階で重要なものが、要求定義書、要件定義書RFP(提案依頼書)の3つの文書です。まずは、それぞれの内容や役割について解説します。

    要求定義書(要求仕様書)とは?

    「ウェブサイトでこんなことを表現したい」「こんな業務ができるようにしたい」という事業主(非技術者)から制作会社等の技術者に対して求める要望(要求仕様)をまとめた文書です。
    もう少しわかりやすく説明すると、要求定義書は、ウェブサイト開発をする依頼主が求めていることを開発を請け負う会社の技術者に認識齟齬なく説明できるようにするためのドキュメントです。
    ただ思いつくままにやりたいことを書き出すのではなく、「それは何のために必要なのか?」「それを実現することで、ユーザーにどのような状態になってもらうことを目指しているのか?」など、その要求を実現することで達成したいゴールから逆算して考えることがポイントです。

    要件定義書とは?

    制作会社や開発会社などの技術者(委託業者)側が、依頼主から提示された要求事項に対して、技術的にどのような方法で実現させるかをまとめたものです。
    要求定義書の内容だけでは、「何がやりたいか」はわかっても、「それを具体的にどのような方針で作っていけばよいのか」は定まっていません。したがって、設計や開発を担当するスタッフに対して何をどのように作っていくべきかを技術的に整理して示す必要があります。そのための文書が「要件定義書」です。
    技術的な知見が必要になるため、業者主導で依頼主と協議をしながら作成を進めていきます。
    予算や技術的制約条件などが理由ですべての要望が実現できるとは限りません。要件定義をしていく過程では、どこが重要で外してはいけないことなのか、代案で対処できるものはないのか、今回必ずしも実装しなくても支障がないものはないかなど、緊急度と重要度の観点から優先順位を定めましょう。

    RFP(提案依頼書)とは?

    ウェブサイト開発を委託するパートナー業者がすでに決まっている場合は、要求定義書ができたらそのまま要件定義を進めていくことができます。
    しかし、ウェブサイトリニューアルをおこなう際は、新たに業者を選びなおす「業者選定」をおこなうことが多いです。業者を選びなおす際に、候補業者に提案書や見積書を作成してもらうために提示する依頼書がRFP(提案依頼書)です。

    提案依頼書は、要求定義書から委託範囲を抽出して開示範囲を整理したうえで、リニューアル目的や予算や契約条件や業者選定スケジュールなどのプロジェクト概要をまとめた文書を用意します。

    パートナーを選ぶにあたっては、要望を実現できる技術力があるかどうかだけでなく、協力関係を築いてプロジェクト進行ができるかどうかがポイントになります。したがって、実力がある業者を選ぶためには「情報を開示しすぎない」ことも、RFPを作るにあたってのコツのひとつです。

    3.要求定義→RFP作成→要件定義という3ステップの関係性

    「要求定義:やりたいこととにかく洗い出す」→「RFP:ウェブシステムに関することならウェブシステムの開発業者に出す内容をまとめる」→「要件定義:RFPを受け取った業者側が提案する」という流れになります。

    また、それぞれの立場(発注者と外部業者)からみた関係性は下記のような形になります。

    4.要件定義工程までの質が、サイトリニューアルの成否の8割を決める!?

    「なにをやりたいのか」をはっきりさせないまま外部業者に丸なげするやり方だったり、作業範囲や作業条件があいまいなままで提案内容を鵜吞みにして開発を始めてしまったりすると、必ずどこかで「こんなはずではなかった」という状況におちいってしまいます。

    したがって「要件定義書」の質が、ウェブサイトリニューアルの成否の8割を決めるといっても過言ではありません。そして、要件定義書の質の高さは、そのもととなる「要求定義書」の質で左右されます。

    ウェブサイトを作って終わりではありません。ユーザーの満足度を高め、事業成果につなげるためには、具体的なウェブサイト開発に入る前の3つの工程はていねいに進めましょう。

    實石 優

    この記事の監修者

    ウェブマネジメント・アカデミー立ち上げメンバーの一人で、企画段階から携わりました。SEOや広告関係、アクセス解析が得意です。ウェブ担当者視点でいろいろ調査していきます。

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