ウェブサイトキャッチコピーの考え方――サイトコンセプトの洗練度が一目でわかる「たった10文字のコンテンツ」

 2022.01.11 2022.06.01
編集長
谷川 雄亮
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企画段階でコンセプトを練ったはずなのに、いざサイト開発を進めてみたら何か思っていたものは違うサイトができあがってしまったり、思いついたコンテンツをやみくもに増やして目的を見失ってしまったりした経験はありませんか? 原因のひとつとして考えられるのが、ちゃんと練ったはずのコンセプトが実は煮詰まっていなかったということです。 今回は、洗練されたコンセプト定義ができているかどうか、コンセプトからブレないウェブサイト構築を進められているかどうかを確認できる「たった10文字のコンテンツ」をご紹介します。

目次

    1.「サイトキャッチコピー」がコンセプト洗練度の確認に有効な理由

    洗練されたコンセプト定義ができているかどうか、コンセプトからブレないウェブサイト構築を進められているかどうかを確認できる「たった10文字のコンテンツ」、それはずばり、サイトロゴの横に添えるキャッチコピー(サイトキャッチコピー)です。

    サイトキャッチコピーは、ウェブサイト全体にかかる「誰向けに何を、どのように価値提供しているのか」を最も端的に表わすメッセージです。秀逸なキャッチコピーには「なぜ」まで表わしているものもあります。
    掲載する場所が場所だけに、長い文章でごまかすことも、絵や図表で補足することもできません。
    したがって、コンセプトが洗練されていないと、サイトキャッチコピーがあいまいな表現になってしまいます。

    逆に洗練されたサイトキャッチコピーを作ることができれば、それにコンテンツや機能の実装へとつながります。その結果として、ユーザーのニーズや期待に沿ったウェブサービスが提供できるようになります。

    2.コンセプトを明瞭に表すサイトキャッチコピーの事例

    ウェブマネジメント・アカデミーを運営している合同会社あやとりが携わったプロジェクトからピックアップして成功事例をご紹介します。

    株式会社フジイ金型様

    株式会社フジイ金型様は、愛知県扶桑町に本社を置く、ダイカスト金型の製作とアルミ・亜鉛・マグネシウム・真鍮などのダイカスト製品に強い金型メーカーです。

    「ダイカスト金型の技術集団」

    「ダイカスト金型」は提供している商材を示していますが、そのうしろに添えた「技術集団」「金型製造企業からモノづくり支援企業へ」という思い(コンセプト)を表わしています。

    コンセプトに従ったウェブサイトのありかた

    「ダイカスト金型」があることで、金型のなかでもダイカスト専門会社であることを明示しています。さらに「技術集団」が添えられていることで、製品としての金型そのものだけでなく、熟練の技術者が提供する専門技術が顧客提供価値であることを示しています。

    実は、提供サービスの紹介ページの見せ方は紆余曲折ありました。しかし、このようにコンセプトを定義したことで、モノとしての製品紹介ではなく、技術に裏づけられたコトを主軸としたコンテンツを強化しようという方針が明瞭になりました。

    カテゴリ名も当初は「製品情報」でしたが、「サービス一覧」に名称変更を施しました。掲載するウェブコンテンツも、製品情報だけでなく、どのような課題を解決できるのかといったことや、その課題解決ができる理由としての技術情報を充実させています。
    このような改善をおこなった結果、金型に関する事業課題を持った顧客から「この会社なら我々の課題を解決してもらえるのではないか?」という期待を得られるようになり、問い合わせ獲得につながっています。

    詳しくは、「フジイ金型様の支援事例」をご覧ください。

    トレックス・セミコンダクター株式会社様

    デジタル製品の基板上に配置されたCPUやメモリといった半導体部品に、電力を供給する「電源IC」と呼ばれる電子部品があります。トレックス・セミコンダクター株式会社様は、この電源ICの国内唯一の専業メーカーです。

    「電源ICのトレックス・セミコンダクター」

    トレックス・セミコンダクターという社名の前に、"我々は何者であるか"を表す「電源ICの」を添えています。

    コンセプトに従ったウェブサイトのありかた

    従来のウェブサイトでは、この「電源ICの」がなく「トレックス・セミコンダクター」という社名のみが表示されている状態でした。そのため、このサイトに訪れたユーザーは、「セミコンダクター」という単語から半導体に関するウェブサイトであることは瞬時に理解できるものの、半導体のなかでもどのような領域の製品を扱っている会社なのか?そもそも製品メーカーのサイトなのか?などがはっきりしない状態でした。

    「電源ICの」という5文字が添えられたことで、我々は何者であるか?、どの専門領域を扱っているのか?が明瞭になりました。この5文字があることによって、ウェブサイトを訪れたユーザーがナビゲーションやバナー画像を読む際、「(電源ICの)製品情報」「(電源ICの)デザインサポート」「(電源ICの)パッケージシリーズ」という理解のしかたになります。
    (電源ICの)の部分がなければ、何の製品情報なのか?何のデザインサポートなのか?何のパッケージシリーズなのか?が瞬時に理解できません。
    つまり、たった5文字のキャッチフレーズ内の文字があるか無いかで、ユーザーのサイト内での除法収集活動の利便性がぐっと向上します。さらに、「電源ICの」「電源ICなら」「電源ICは」など助詞をどうするかだけでも、印象はぐっと変わります。
    このウェブサイトを構築するときのプロジェクトでは、このキャッチフレーズを決める過程を数か月かけて入念に進めました。

    詳しくは、「トレックス・セミコンダクター様の支援事例」をご覧ください。

    合同会社あやとり

    最後に本サイト運営会社である合同会社あやとりの事例です。

    「戦略的ウェブサイト構築集団」

    「ウェブサイト構築」が提供サービスの対象を表わしています。
    「制作」ではなく「構築」としたところに会社としての意志が含められています。
    一般的には「ウェブサイト制作」という言い方のほうがなじみがあるかもしれません。制作には「芸術作品をつくること」というニュアンスあります。一方で構築には、「基礎の構えから始めて全体を築く(作り上げる)こと」を意味します。
    見た目がきれいなウェブサイトをつくることが目的ではなく、ウェブサイトを経営ツールとして機能させる(企業活動を形成する組織機能の一部とする)ことを重視しているため、「構築」という言葉を採用しています。

    さらに「戦略的」を冒頭に添えることで、「経営戦略に従って企業の進むべき方向を指し示すウェブサイト」にするというメッセージを込めています。

    コンセプトに従ったウェブサイトのありかた

    こちらは、ぜひ合同会社あやとりのウェブサイトをご覧いただき、考察してみていただけるとうれしいです。

    3.サイトキャッチコピー検討ワークショップのススメ

    3つの事例をご紹介しましたが、いかがでしょうか?

    このコラムをご覧になった方にぜひおすすめしたいのが、ウェブサイト企画の際に「サイトキャッチコピー検討ワークショップ」を取り入れることです。

    サイトキャッチコピーをはっきりさせることで、必要(不要)なコンテンツ要件、機能要件、デザインの方向性などが煮詰めやすくなり、コンセプトからブレないサイト開発の遂行につながります。これから新たにウェブサイトをつくる方も、今のサイトを見直そう通している方も、ぜひトライしてみてください。

    4.「キャッチコピー検討」ワークシートダウンロード(無料)

    ウェブサイトのキャッチコピーの検討に便利なワークシート(PDF)をダウンロードできます。
    御社でのサイトコンセプトの検討やキャッチコピー検討のフレームワークとしてご活用ください。

    編集長
    谷川 雄亮

    この記事の監修者

    PMOとしてウェブマーケティングの大規模プロジェクトを伴走しています。その経験をもとに、ウェブ担当者としての仕事を体系化した「ウェブマネジメント講座」開発し、講師をしています。実務担当者から経営層まで、100社以上の企業に受講いただきました。ウェブマネジメント・アカデミーでは、みなさまが抱えている課題を一緒に解決できるようにサポートします。

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