効果的なウェブ集客方法まとめ-成功の秘訣はプル型広告とプッシュ型広告の使い分け

 2021.12.15 2022.08.27

みなさんが自社の商品やサービスをプロモーションしようと考えたとき、どのような方法を選びますか?いろいろなプロモーション(集客)方法が考えられると思いますが、状況に応じた適切なものを選択し、計画が立てられるでしょうか? 今回のコラムでは、 「コロナ禍で対面の営業活動には制約がかかってしまうので補助できる手段を考えている」 「ウェブを使ったマーケティング活動の一環としてオンラインでのプロモーションをしたいがどのような手法があるのかわからない」 というような声にお応えし、数ある集客方法のなかからオンライン(ウェブ)でおこなえる集客方法についてまとめ、ご紹介しています。

目次

    1.ウェブ集客とは?

    販促プロモーションにおける集客方法は、オンラインでおこなうものとオフラインでおこなうものに分けることができます。
    ウェブ集客とは、オンラインでおこなう集客方法のなかで自社のウェブサイトなどに見込み顧客を呼び込む手法のことを指します。

    2.ウェブ集客手段には「プル型」と「プッシュ型」2つのタイプがある

    それでは、ウェブ集客には具体的にはどのような手段があるのでしょうか?
    代表的なウェブ集客手法のまとめをご紹介する前に、ウェブ集客手段には顧客との接点の持ち方によって「プル型」集客と「プッシュ型」集客の2つのタイプがあることを押さえておくことが大切です。

    その1.「プル型」集客とは

    「プル型」集客とは、自ら積極的に情報収集行動をとっているユーザーに対して、自社の情報が掲載されているページへの誘導リンクを掲示することで、能動的にウェブサイトを見に来てもらう集客手段です。
    ユーザーのなかでニーズがある程度顕在化しており、目的を明確にもって情報収集しているユーザーの流入が見込まれるので、広告費をあまりかけることなく顕在見込み顧客にリーチでき、コンバージョン率は比較的高いというメリットがあります。
    一方で、ニーズが顕在化して自ら情報収集をしているユーザーのみにしか接点を接点がつくれないため、まだニーズが潜在的な顧客には届きにくいというデメリットがあります。特に自社の製品やサービスの認知度が低い段階やブランディングができていない段階では、効果を得ることがむずかしくなります。

    その2.「プッシュ型」集客とは

    「プッシュ型」集客とは自ら情報を取りに来ていない受動的なユーザーに対して、企業側から積極的に情報を届けるタイプの集客手段です。

    ニーズが顕在化していない潜在顧客に対しても情報発信ができるため、これから認知度を高めたいという場合や広く情報を発信したいというときにメリットがあります。
    一方で、広く広告を配信して集客をおこなうことになるため、顧客化しない非ターゲット層にも情報を届けてしまうことでコスト圧迫をしてしまうデメリットや、その情報を必要としていない人にも無理やり届けることでブランドイメージを損なうリスクがあります。

    また、費用も「プル型集客」に比べると高額になることがあります。

    メリットデメリット
    プル型コンバージョン率は比較的高い。
    広告費をあまりかけることなく顕在顧客にリーチできる。
    製品やサービスの認知度が低い段階や、ブランディングが進んでいない状態では効果を得ることがむずかしい。
    プッシュ型潜在顧客や受動的な顧客に対しても訴求できる。
    製品やサービスの認知度が低い段階でも、サイト訪問者の母数を増やすことができる。
    プル型集客に比べると費用も高額。
    顧客化しない非ターゲット層にも情報を届けてしまうことでコスト圧迫をしてしまう。
    その情報を必要としていない人にも無理やり届けることでブランドイメージを損なうリスクがある

    3.「プル型」のウェブ集客手法一覧と注意点

    オンラインでおこなえる「プル型集客」について5つ、それぞれの内容紹介とポイントを挙げています。

    SEO

    SEOとは、どんな手法?

    検索エンジンの検索結果ページでみずからのウェブサイトが上位に表示されるように対策をする手法。
    運営サイトの中身を最適化する内部対策と、外部サイトからのリンクを獲得する外部対策がある。
    情報資産として蓄積するため持続的に効果が得られることが特長。顕在顧客へのリーチがしやすい。

    SEOのポイントと注意点

    対策を始めてから効果が出始めるまでに時間がかかる。
    どのような対策キーワードを選ぶのかが重要。
    悪質な手法を用いると検索エンジンからペナルティを受け、急激に表示順位を落としたり、検索エンジンに表示されなくなったりしてしまうため、悪質な手法を用いる業者を選ばない。

    リスティング広告

    リスティング広告とは、どんな手法?

    検索エンジンなどの検索結果ページの広告枠に、運営サイトへのリンクを設置してアクセスを獲得する手法。顕在顧客へのリーチがしやすく。少額から始められて詳細なターゲッティングができ、効果検証がしやすいことが特長。

    リスティング広告のポイントと注意点

    ビッグキーワードは価格が高騰しているため、ニーズとマッチするスモールキーワードをねらう。
    対策キーワードごとに、出稿内容を細かく最適化することが重要。
    また、効果検証⇒出稿内容改善の繰り返しが大事。

    バナー広告

    バナー広告とは、どんな手法?

    他者が運営しているサイトに自社が運営しているサイトへのリンクが設定された広告画像を貼り、アクセスを獲得する手法。潜在顧客へのリーチでき、インプレッション効果(認知度向上の効果)を得やすい。

    バナー広告ののポイントと注意点

    一枠あたりの料金が高く(30万〜100万)、CPA(コンバージョン単価)はよくない場合が多い。

    バイラルマーケティング(クチコミマーケティング)

    バイラルマーケティングとは、どんな手法?

    商品やサービスを利用したユーザーが友人や同僚に紹介するように仕向けるインターネットを使ったプロモーション手法。顧客に近い立場のユーザーによってSNSなどで拡散されるため、消費者目線でのメッセージが伝えられやすい点が特長。

    バイラルマーケティングののポイントと注意点

    自作自演のクチコミや実際の利用体験を伴わないユーザーによるクチコミは、ステルスマーケティングといわれ、読者の反感を買うリスクがあるため、どこまで踏み込んで意図的にクチコミを拡げる策をとるかは慎重に練る必要がある。BtoBの事業体には不向き。

    アフィリエイト広告

    アフィリエイト広告とは、どんな手法?

    他者が運営しているサイトに広告を掲載してもらい、指定した成果の獲得数×獲得額に応じての対価を支払う手法。
    対価を支払う成果の条件を自身で指定できるため、CPA(コンバージョン単価)にブレがないのが特徴。アフィリエイトASP(アフィリエイト広告を掲載可能な媒体を束ねているサービス)を介して出稿するケースが多い。

    アフィリエイト広告のポイントと注意点

    多くのアフィリエイトASPが初期費用や月額利用料かかるため、獲得数が少ない場合はCPAが悪くなる。
    個人サイトにも広告が掲載されるので、意図しないところに掲載される可能性があり、ブランドに傷がつくリスクがある。BtoBの事業体には不向き。

    4.「プッシュ型」のウェブ集客手法一覧と注意点

    オンラインでおこなえる「プッシュ型集客」について5つ、それぞれの内容紹介とポイントを挙げています。

    メルマガ広告

    メルマガ広告とは、どんな手法?

    ポータルサイトなどが会員に向けて配信するメールマガジンの文中に設けている広告枠に、自社の広告を掲載したり、臨時号として独立したメールマガジンを配信したりすることで、自社のウェブサイトに呼び込む手法。

    メルマガ広告のポイントと注意点

    ターゲットユーザーの属性や趣向と、配信媒体メルマガ会員の属性や趣向が一致しているかどうか、慎重に検討する。

    メルマガ配信

    メルマガ配信とは、どんな手法?

    自社で保有している名簿に対して、メールマガジンを配信してウェブサイトに呼び込む手法。

    メルマガ配信のポイントと注意点

    「特定電子メール法」が2008年に改正され、オプトイン方式が導入されたことによって、メールマガジンを配信するためには、事前に同意が必要となった。同意がないまま配信すると処罰対象となる。
    顧客属性に合わせて、何曜日の何時に配信するかによって成果が変わってくるので配信時期の最適化が重要。

    ソーシャルメディア広告

    ソーシャルメディア広告とは、どんな手法?

    Twitter、Facebook、YouTube、TikTokといったソーシャルメディア内で広告を掲載する手法。
    ユーザーのさまざまな生活、行動、趣向に合わせて広告出稿をコントロールでき、コミュニケーションの輪のなかに入ることができるのが特長。

    ソーシャルメディア広告のポイントと注意点

    ユーザーがプライベートで楽しんでいるなかに広告出稿するため、過度な広告掲載や売り込み色の強い広告では、「プライベート空間への乱入」とみなされててブランドを傷つけたり、炎上に至ったりしてしまうリスクがある。

    モバイルアプリケーション広告

    モバイルアプリケーション広告とは、どんな手法?

    モバイルアプリケーションの画面上に運営しているサイトへ誘導する広告を掲載する手法。

    モバイルアプリケーション広告のポイントと注意点

    ユーザーがプライベートで楽しんでいるなかに広告出稿するため、過度な広告掲載や売り込み色の強い広告では、「プライベート空間への乱入」とみなされててブランドを傷つけたり、炎上に至ったりしてしまうリスクがある。
    アプリケーション広告の効果測定には、ウェブサイト用のウェブ解析ツールとは別に、SDKというタイプのウェブ解析ツールを別途導入する必要がある。

    インターネットCM

    インターネットCMとは、どんな手法?

    YouTubeなどの動画共有サービスで、動画が始まる前にCMを公開する手法。
    動画+音声で掲載できるため、メッセージ性が強く、インプレッション効果が得られやすい。潜在顧客層に対してもリーチができる。
    閲覧したユーザーが興味をもてば、クチコミが拡がる効果も期待できる。

    インターネットCMのポイントと注意点

    映像制作が必要なため、リスティング広告などの従来のネット広告と比べて、時間とコストがかかる可能性がある。
    リスティング広告などに比べて、インプレッション効果は高いが、サイト誘導のトラフィック効果や問い合わせ注文といったレスポンス効果(サイトに呼び込む効果)にはつながりにくい。

    5.「プル型」と「プッシュ型」が混合した手法もある

    オンラインでおこなえる「プル型集客」「プッシュ型集客」それぞれの要素を兼ね備えたものの内容紹介とポイントを挙げています。

    プレスリリース

    プレスリリースとは、どんな手法?

    メディアで記事として取り上げてもらうことを目的とし、報道機関・マスコミといった媒体社向けにプレスリリースを配信する手法。
    個別に配信するのではなく、配信サービス会社(提携しているメディアにまとめて配信代行をするさ0ビス)を利用するケースが多い。
    記者の目に留まって記事として取り上げてもらえることができれば、広告よりも情報への信頼度が高く認識されることが特長。

    プレスリリースのポイントと注意点

    厳密には「販促プロモーション」の手法ではなく、報道機関やマスコミに対して情報発信をする「広報」手段に該当するため、売り込み色のあるリリースにならないように注意が必要。自社の利益ではなく、記者が記事として取り上げたいと思えるような社会的価値あるかどうかという観点を重視して執筆する。また、配信をしても、必ず記者に記事として取り上げてもらえるとは限らない。
    掲載内容のコントロールができないため、なるべく意図どおりに掲載してもらえるよう、プレスリリースの書き方を工夫することが重要。配信サービス会社を利用する場合は、登録媒体の読者層がターゲットとマッチしているかどうかを確認する。

    6.自社に最適なウェブ集客方法を選ぶ8つのコツとは?

    ここまで、「プル型」集客と「プッシュ型」集客という2つのタイプを紹介したうえで、代表的なウェブ収穫手法についてまとめました。

    それぞれの内容や特性を理解した次の段階では、おそらく、「一体どの集客方法が自社に最適なのだろうか」という、実際にどの施策をどのようなタイミングで使うかという計画を立てることになるでしょう。

    そのときには、ぜひ次の8つの観点から計画を練ってみてください。

    1. オンラインとオフラインをうまく使いこなす
    2. 待ちの広告と攻めの広告、それぞれの特性を活かす
    3. 各手法のメリット・デメリットを理解し、効果的に使い分ける
    4. 「利用シーン」を意識する
    5. プロモーションごとの達成目標を定める
    6. 受け口として、「検索されやすいウェブサイト」を作る
    7. プロモーションは思いつきではなく年間計画を練る
    8. 投資対効果を見極めて、投資先やその配分を見直す

    どのようなユーザーに働きかけたいのか、どのようなかたちで顧客との関係を築き深めていきたいのかを考え、「プル型」「プッシュ型」または両方をうまく組み合わせて、御社のデジタルマーケティングにおける施策のひとつとして、ぜひお役立てください。

    7.ウェブ集客がうまく進められずにお困りの方へ

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    株式会社あやとり
    マーケティング部
    鈴木 英美

    この記事の監修者

    ウェブマネジメント・アカデミー立ち上げメンバーの一人です。コンテンツ作成やメルマガ関係、インサイドセールス分野に携わりながら、このサイトのウェブ担当者として、幅広く勉強しています。

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