ペルソナとは?マーケティングに活用するための作り方とコツ【テンプレート付!】

 2022.03.17 2022.05.26
編集長
谷川 雄亮
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マーケティングにおける「ペルソナ」とは何か?「ペルソナ」の作成手順や失敗しないための注意点などをわかりやすく解説します。初めてペルソナ設計に取り組む方向けに無料テンプレート付きです。

目次

    1.ペルソナとは?

    マーケティングにおける「ペルソナ」の意味

    「ペルソナ」とはターゲットとなる架空の人物像

    「ペルソナ」という言葉には、もともと「仮面」や「人格」といった意味がありますが、マーケティングの領域においては、ターゲットとなる架空の⼈物像を設定することをいいます。
    また、ペルソナを使ってユーザーやターゲット像を明確に設定しながら、その⼈物像に対してサービス開発や施策を練るマーケティング⼿法を「ペルソナマーケティング」といいます。

    ペルソナでは、リサーチで得られたエビデンスに基づき、⽒名や年齢、居住地、職業、年齢、価値観やライフスタイル、該当サービスに関するリテラシーや反応などを具体的に細かく設定します。

    人物ペルソナの例

    「人物」ペルソナだけでなく、「会社」ペルソナや「組織」ペルソナをつくることもある

    BtoBビジネスの場合は、人物単位だけでなく、会社単位や組織単位でのペルソナをつくることも有効です。

    会社ペルソナの例

    ターゲットとペルソナの違い

    ペルソナと似ていて混同されがちなマーケティング用語に「ターゲット」もしくは「ターゲティング」というものがあります。

    「ターゲット」とは、ビジネスにおいて「勝負する市場(顧客群)」のことです。市場(=顧客)にはさまざまな層があり、市場のすべてをビジネスの対象としていたのでは、ビジネス戦略を明確にすることができません。そこで、市場を分割して捉え、そのなかから自社が勝負するゾーンを決めていきます。このターゲットに対して、具体的に顧客像をはっきりさせていくのが「ペルソナ」です。
    したがって、ターゲットが勝負する市場(顧客)のなかの一部のゾーンであるのに対して、ペルソナはそのゾーンのなかの象徴的なひとりの人物像になります。

    ターゲットペルソナ
    作り方自社が対象市場としていく属性の分類やセグメント分けのみターゲットをもとに、より具体的な架空の人物像を描く
    構成要素定量情報中心定性情報中心
    活用シーン広告配信やMAツール設定時の対象の絞り込み条件とするコンテンツ企画や施策案を練る際の参考情報とする

    なぜ必要?マーケティングにおいてペルソナをつくる理由とメリット

    「顧客視点」の精度を上げることができる

    現代のマーケティングにおいては、自社視点ではなく、顧客視点で戦略を練ることの重要性が高まっています。しかし、「顧客視点を持つことは重要だ」と頭ではわかっていても、いざ施策の企画立案を始めてみると、気づいたら自社都合でものごとを考えてしまっていた…ということはよくあります。
    そこで、ペルソナという具体的な顧客像を明文化しておくことで「ペルソナの○○さんだったらこのときはこんな行動はしないのではないか?」「○○さんはこういった悩みが背景にあるのではないか」というふうに、常に顧客視点に立ち返って施策を見直すことができます。

    関係者間で共通した人物像を合意形成することができる

    施策案を検討していても、担当者間で考えが合わず、意見がぶつかることはよくあります。折り合いがつけられない原因のひとつに、マーケティング担当者間で「頭のなかで描いている顧客像が実は少しずつ違っていた」ということが考えられます。
    あらかじめペルソナをつくって関係者で議論を交わしておくと、共通した人物像を形成することができ、関係者間での意思疎通を円滑化させたり、有機的なアイデア出しをしたりすることにつながります。

    顧客提供価値に寄与しない施策を排除できる

    企業はマーケティングとしてさまざまな施策をおこないますが、そのなかには、手間をかけている割には事業に貢献していないものも紛れています。
    「いつの間にか始めて、何のためにやっているのかわからない」施策はペルソナをもとに顧客提供価値を改めて見直すことで排除しましょう。同時に業務効率を上げることにも寄与します。

    2.ペルソナのつくり方~押さえておきたい6つのステップ

    1)ペルソナ候補をリストアップする

    まずは、自社のビジネスにおける視点から市場(顧客)をセグメント分けし、ペルソナ候補リストをリストアップします。ビジネスの構造が複雑で登場人物が最終消費者だけない場合は、「ステークホルダーマップ」をつくって整理してみることも、重要なペルソナ候補の抜け漏れ防止に有効です。

    ※「ステークホルダーマップ」については「6.ペルソナとあわせてつくると効果的なフレームワーク」で詳しく説明しています。

    ペルソナリストの例

    2)作成対象を決める

    リストアップしたペルソナリストのなかから、作成対象とするものを選択します。
    基本的には「最も商品・サービスを利用してほしいメインターゲット」から始めますが、2つの考え方があります。ひとつ目は、現状のロイヤルカスタマーを整理してまとめていく方法です。ふたつ目は、現状ではメイン顧客ではないものの、今後ビジネスを広げていくにあたって特に強化していきたいターゲット層の属性を抽出していく方法です。
    特定のサービスや商品に対して複数ペルソナを設定しても問題ありませんが、むやみにつくりすぎないことにも注意が必要です。とりわけ、ペルソナ同士の特徴が似たり寄ったりだと違いがあいまいになって管理しづらくなります。「まずはアーリーアダプターからつくり始めよう!」など、優先順位を決める基準をつくっておくこともおすすめです。

    3)プロトペルソナ(暫定ペルソナ)をつくる

    まずは暫定でよいので、選定したペルソナのプロトタイプをつくります。
    例えば、A4の紙を縦横で4分割に折り、各マス目に、左上:名前とイメージ、左下:人口統計学的属性や心理学的属性右上:言動、右下:ニーズとペインポイント を簡易的に書き出すといったやり方で充分です。
    この時点では、主観頼りでも構いません。手軽に素早く作成し、関係者とペルソナを使ってたくさん会話することを大事にしましょう。

    プロトペルソナの例

    4)裏付けリサーチをする

    プロトペルソナで「つくった気になって」施策案検討に進んではいけません。
    ペルソナの妥当性を実証するためにリサーチデータを集めます。
    例えば、統計情報や過去の顧客データから裏付けとなる情報を探します。足りなければアンケート調査やインタビューをおこなってみることも検討しましょう。

    5)正式ペルソナ(リサーチベースのペルソナ)をつくる

    得られたデータもふまえ、ペルソナに記載する項目を細分化し、解像度を上げていきます。
    この段階ではPowerPointなどでデジタル化し、継続的にプロジェクトで活用できるフォーマットにします。

    リサーチベースのペルソナの例

    6)定期的にペルソナを見直す

    作成したペルソナに基づいて施策立案や実行をしていきます。施策実行後の効果検証時にはペルソナも見直し、定期的にペルソナを更新します。

    3.ペルソナにはどのような項目を設定すべきか?~BtoC/BtoBの項目例を紹介

    個人ペルソナの項目例

    ペルソナの基本となるのは、ひとりの人を単位として作成する個人ペルソナです。
    個人ペルソナでは図のように、氏名や年齢のような基本項目に加えて、自社の事業に応じて必要な項目を取捨選択して設定します。

    会社ペルソナ/組織ペルソナの項目例

    さらにBtoBビジネスの場合、人物単位だけでなく、会社単位、組織単位でのペルソナをつくることも有効です。会社単位のペルソナをつくったうえで、さらにかかわりが深い部署や組織を特定し、組織単位のペルソナにドリルダウンしていきます。

    4.ペルソナをつくるうえでの注意点

    何のためにペルソナをつくるのかを明確にし、必要な情報のみを定義する

    項目例のところでも触れましたが、「ペルソナをつくったあとに何をしたいのか」をふまえ、ペルソナに盛り込む情報は、マーケティング活動の意思決定に影響を及ぼす項目に厳選して定義します。
    そして、項目を論理的に取捨選択できるようにするためには、そもそも何のためにペルソナをつくるのかを明確にしておくことが重要です。

    「理想的な(都合がよい)」ペルソナ像にしない

    ペルソナを自分たちにとって都合がよい理想的なユーザーとして考えると、「自社のことが大好きで、商品を買いたくてしかたがない人」ができ上がってしまいます。それでは実際のユーザー像とは乖離してしまい、効果的なアプローチが導き出せない可能性があります。
    先入観を排除し、「こんなお客さんだったらよいな」という理想ではなく、「具体的に買う可能性がある人(しかし、実際に買ってもらうためには、もう少し工夫して顧客接点をつくる必要がある状態)」を意識するようにしましょう。

    主観だけで作成しない

    自分たちの想像だけでつくったペルソナはあくまでも想像にすぎず、思いつきやヒラメキのみで施策検討をしている状態と大差ありません。ペルソナをつくったあとは、根拠となるデータを集め、顧客ニーズが実態とズレていないかをていねいに確認するようにしましょう。

    「ペルソナをつくってから何をするのか」をはっきりさせる

    ペルソナをつくるだけでは何も生み出せません。ペルソナをつくっただけでマーケティングをやった気になって満足してしまわないためには、ペルソナをつくり始める前に「どのような活動のインプット情報として利用するのか」をあらかじめはっきりさせておきましょう。

    定期的にペルソナを見直す

    ペルソナには「賞味期限」があります。業種業界にもよりますが、どんなに長くても2年と考えて、定期的にペルソナは見直すようにしましょう。

    5.よくある質問

    ペルソナマーケティングに向く商売、向かない商売はある?

    實石 優
    ペルソナの作り方はよくわかりました。ただ、いざチャレンジしようと思ったときに、自分たちのビジネスで役に立つのかどうかが少し気がかりです。
    ペルソナマーケティングが向いている商売、向いていない商売はあるのでしょうか?
    ペルソナ作成が特に効果的なビジネス領域はあります。
    例えば、顧客セグメントが複雑に分かれていたり、競合他社との差別化がマーケティング戦略の面で重要な業種です。 ただ、そのような業種業界ではない場合でも、ペルソナ作成は少なからず役立ちます。 顧客のニーズが多様化している現代において、顧客像をはっきりさせて「顧客の課題解決のために我々は何ができるか」という視点からスタートする重要性は高まっています。

    自社都合ではなく顧客のために、そして自分たちのビジネスを見直すうえでも、ぜひ取り入れてみてください。
    谷川 雄亮

    BtoBでも効果的なのか?

    實石 優
    ペルソナは、BtoC向けのビジネスをしている企業にあったマーケティング手法のようなイメージがしてしまいます。BtoBビジネスでも有効なのでしょうか?
    BtoBの会社でも有効です。ただしつくるにあたって注意すべき点があります。
    それは、BtoBならではの商流や意思決定プロセスをふまえて作成するということです。
    ひとりの個人が「衝動買い」するのではなく、異なる課題やミッションを持った複数の人や組織の稟議プロセスを経て意思決定されるという流れを整理し、その意思決定プロセスのキーパーソンとなる人物像を選んで描いていきます。
    谷川 雄亮
    また、BtoB事業の会社からは「ペルソナをつくってみたもののそこから施策アイデアに活かせない」「ペルソナはBtoC向けのやり方だから当社には合わないのではないか?」という声が出てきます。
    そのようなときは、設定すべき項目が不適切でBtoC向けのペルソナと同じようにつくってしまっているケースが多いです。

    BtoC事業とBtoB事業ではペルソナに必要な項目は大きく異なります。自社の事業に即していて、企画検討の面で意義がある情報のみを定義しましょう。
    谷川 雄亮

    何パターンつくればよいの?

    實石 優
    いざつくり始めたらどんどん作成枚数が増えてしまいそうです。何パターン位のペルソナをつくればよいのでしょうか?
    多様化した今、ターゲットとなる顧客像が1パターンに収まることはほとんどありません。一般的には3~4パターン、多いときには10パターンくらいつくることもあります。 ただし、やみくもにパターンを増やすことが得策ではありません。

    繰り返しになりますが「ペルソナをつくって何をしたいのか」にもとづき、アクションプランを練るうえで必要なもののみを作成しましょう。
    谷川 雄亮

    6.「ペルソナ作成シート」テンプレートダウンロード(無料)

    ペルソナ作成に使える編集可能なテンプレート(PowerPoint)をダウンロードできます。
    ぜひ御社での「初めてのペルソナ作成ワークシート」としてご活用ください。

    7.ペルソナについてのおすすめ書籍

    8.ペルソナとあわせてつくると効果的なフレームワーク

    ステークホルダーマップ

    ステークホルダーマップとは、特定のサービスに影響を与える利害関係者や、それを取り巻く業界・社会環境・経済圏を形成する要素を洗い出して視覚化したものです。
    視覚化した情報を俯瞰することは、マーケティング施策を練り、つくるべきペルソナを選ぶこと、作成したペルソナ間の関係性を把握することに役立ちます。
    ステークホルダーマップについての詳細は下記記事をご覧ください。

    カスタマージャーニーマップ

    カスタマージャーニーマップ

    カスタマージャーニーマップとは、ユーザーが商品・サービスとのかかわりのなかでたどる一連のプロセスを視覚化したものです。
    ユーザーは商品・サービスとのかかわりのなかで、認知や検討などステージごとに異なる行動をし、その時々で感情も変化します。ペルソナをつくったうえで、カスタマージャーニーマップから顧客の行動を俯瞰して見ることで、それぞれのステージでの課題と対策を考えることに役立ちます。

    ビジネスプロセスマップ

    ビジネスプロセスマップ(略称:ビジプロ)とは、「顧客の行動シナリオ」と「自社の各部門業務」の両面からサービスプロセス全体を1枚の図にまとめたものです。
    ペルソナをつくったあとで、ビジネスプロセスマップ作成に取り組むことで、顧客接点に沿って見える化したビジネスプロセスをもとに、サービスや体験をより良くするアイデアを議論することができるようになります。これらをもとに、プロセスが分断された分業型組織を改革し、顧客に対する価値を生み出すための取り組むべきことやデジタル活用の企画検討に発展させていきます。
    ※ビジネスプロセスマップの活用法は「ビジネスプロセスマップ作成講座」で詳しく解説しています。

    バリュープロポジションキャンバス(VPキャンバス)

    バリュープロポジションキャンバス(略称:VPキャンバス)とは、右側に「顧客の情報」を、左側に「バリュープロポジションを構成する要素」を記載し、双方を一枚の紙上で比較することで、バリューがニーズに合致するかを確認します。
    ペルソナをつくったうえでVPキャンバスを描くことで、顧客が得たいことや取り除きたい厄介ごとにもとづいて、自社の製品やサービスが果たせる顧客提供価値を定義することができるようになります。

    編集長
    谷川 雄亮

    この記事の監修者

    PMOとしてウェブマーケティングの大規模プロジェクトを伴走しています。その経験をもとに、ウェブ担当者としての仕事を体系化した「ウェブマネジメント講座」開発し、講師をしています。実務担当者から経営層まで、100社以上の企業に受講いただきました。ウェブマネジメント・アカデミーでは、みなさまが抱えている課題を一緒に解決できるようにサポートします。

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